【スタッフブログ】イラクから世界の平和を考える〜講演会「中東イラクから世界の平和を考える」より〜
- peacecellproject
- 10月13日
- 読了時間: 5分

先日参加した講演会 「中東イラクから世界の平和を考える」。登壇されたのは、中東地域政治がご専門の 酒井啓子先生(千葉大学特任教授) と、イラクで長年活動を続ける 髙遠菜穂子さん(一般社団法人PCP代表) です。
「戦争は止められるのか?」「私たちにできることは?」そんな問いに触れながら、イラクの過去と現在、そして未来について考えさせられる時間となりました。
以下では、講演の内容をテーマごとにまとめてみます✍️
目次
治安と観光のいま
日本企業とイラクの関わり
戦争の教訓と大国の影響
占領と復興のジレンマ
市民社会と若者・女性の力
宗派対立と帰還者の問題
イラク人の強さと希望
まとめ
1.治安と観光のいま
外務省の地図では依然「渡航禁止」扱い。

とはいえ、2016〜17年頃を境に市民生活は安定。コロナ後は人々が普通に街を歩く姿が見られる。
経済も石油価格の上昇で回復。最近は ビザが発給され、日本食ブームも。寿司や餅、和菓子のお店も!
👇以下YouTuberの原貫太さんがイラクでラーメンを食べている動画です🍜
日本が大好きなイラク人が“想像だけで作ったラーメン”が衝撃だった…
コンクリートブロックや検問も撤去され、街並みが整いつつある。
2.日本企業とイラクの関わり
1980年代末、バスラには三菱重工など日本企業の看板がずらり。
JAL直行便や現地支店もあり、日本人ビジネスマンは約5,000人。
湾岸戦争でビジネスは停滞。人質事件では「日本政府は助けないのか」と企業が抗議したほど。
サダム・フセイン時代は監視社会だったが、石油を担保に仕事を依頼され、日本企業が建設した建物はいまも残っている。
2025年にイラクで国際見本市が開催されるように海外企業の誘致に積極的な様子が見られます👀日本企業も出展したそうです😍👍以下記事の抜粋です。
ジェトロもジャパンパビリオン内にブースを出展し、イラクの現地スタッフがイラクでのビジネス展開を希望する日本企業の製品サンプルやカタログを来場者に案内した。イラク国内の旺盛な建築需要を受け、建築資材や工具に高い関心が集まったほか、日用品や化粧品にも多くの来場者が関心を示した。
3.戦争の教訓と大国の影響
イラク戦争の口実となったのは「大量破壊兵器」疑惑。しかし証拠は曖昧なまま攻撃が開始された。

中東では「自分たちは変わらないが、大国が疑いを抱き、攻撃される」というパターンが繰り返される。
教訓は明確:国際法やIAEAの仕組みを強化し、大国の一方的な行動を止めること。
メディア情報だけを鵜呑みにし、善悪を決めるのは危険。
ちなみに当時の日本の小泉純一郎元首相はアメリカ軍のイラク進攻支持を表明します。他の国々がアメリカを批判したのに対し、異色の姿勢でした。以下当時の状況について、「歴史で読み解く!世界情勢のきほん 中東編」(池上彰)が以下のように記述しています。
自衛隊派遣の検討に入り、本格的な戦闘の終了後の2003年7月に「イラク特措法」が成立し、2004年1月に陸上自衛隊・航空自衛隊を、「非戦闘地域」に限定した人道的支援を目的として派遣しました。
野党が「非戦闘地域とはどこか」と問いただしたのに対し、小泉首相は「自衛隊が派遣される地域が非戦闘地域だ」という迷答弁をしたものです。
「歴史で読み解く!世界情勢のきほん 中東編」(池上彰)
4.占領と復興のジレンマ
フセイン政権の崩壊は歓迎されたが、占領は長期化。

サダム像の破壊は確かに独裁の終わりを意味しましたが、
その後イラクは混乱と占領に苦しむことになり、イラク人の中には「平和が訪れた瞬間」というより「長い不安定の始まり」と見る人も少なくない。
米軍やイランの影響が続き、イラクの主体性は制限された。
他国に依存せざるを得ないが「本当は自国で復興したい」というジレンマ。
イラク人は日本企業を「中立的な経済プレイヤー」としてみていたそう。
5.市民社会と若者・女性の力
2019年の「10月革命」で若者が大規模デモ。言論の自由が広がった。
トゥクトゥクがデモで大活躍し、市民の自立と希望の象徴に🚙
女性も積極的に社会参加。ビジネスや反政府運動に加わり、暗殺のリスクを負いながらも道を切り拓いている。
大学進学率の上昇や私立大学の誕生もあり、若い世代の挑戦が続く。
6.宗派対立と帰還者の問題
シーア派の犠牲は公的に記録される一方、スンニ派の被害は十分に扱われない現実。
IS掃討後、元子ども兵や帰還者(妻・子ども) が社会に戻れるかが大きな課題。
帰還者に立ちはだかる現状についてピースセルプロジェクトの理事である髙遠さんは以下のように述べている。
一方、イラク政府は2021年1月から現在(2023年末)までにイラク国籍者およそ1万人をイラク領内のキャンプに移送した。そこで3〜6ヶ月のリハビリを経て、自分の出身地に戻るという流れだ。しかし、帰還後もIDカードが発行されず、教育や医療など基本的な公共サービスを受けられなかったり、受け入れ側の拒否や村八分に遭うケースも少なくない。
帰還者は差別や孤立に直面するが、ローカルNGOが支援を進めている。
女性支援ではDVなどの共通経験を軸に、加害者家族と被害者が支え合う事例も。
7.イラク人の強さと希望
「イラク人は忍耐強い」という言葉が何度も出てきた。
戦争や内戦の被害を抱えながらも、若者や女性が新しい道を切り拓いている。
SNSと口コミ文化の両方を駆使し、社会を少しずつ変えている。
👇こんなかわいらしいブックカフェ(Kahwa wa Kteb Coffee)もあります☕

8.まとめ
イラクは「戦争」「テロ」「危険」といったイメージで語られがちですが、実際にはその裏で、人々が日常を取り戻し、復興に挑み、未来を切り開こうとしています。
戦争から学ぶべき教訓
大国に翻弄されながらも立ち上がる市民の力
そして日本が果たせる中立的な役割
イラクの過去と現在を知ることは、世界の平和を考えることにつながるのだと強く感じました🌟
文責:河﨑樹
早稲田大学商学部|早稲田大学広域BBS会|ピースセルプロジェクト|中東情勢を勉強中…✏️ 👉「Xはこちら → https://x.com/nahcci_8220」
👉「Facebookはこちら → https://facebook.com/icchan_0228」







コメント